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学校側に理解を求める必要があるとして、次のように述べている。
「このような学社融合を図っていくためには、まず、青少年教育施設の側が、これまでの枠にとらわれずに、様々な面でその教育力をフルに発揮した新しい活動プログラムの開発や事業の展開を図り、学校教育サイドに理解を求めていくことが必要であり、…」
また、生涯学習審議会答申「地域における生涯学習機会の充実方策について」(平成8年4月)も次のように述べているのである。
「従来、学校教育と社会教育との連携・協力については、「学社連携」という言葉が使われてきた。これは、学校教育と社会教育がそれぞれ独自の教育機能を発揮し、相互に足りない部分を補完しながら協力しようというものであった。しかし、実際には、学校教育はここまで、社会教育はここまでというような仕分けが行われたが、必要な連携・協力は必ずしも十分でなかった。この反省から、現在、国立青年の家、少年自然の家においては、学校がこれらの青少年教育施設を効果的に活用することができるよう、「学社融合」を目指した取組が行われている。
この学社融合は、学校教育と社会教育がそれぞれの役割分担を前提とした上で、そこから一歩進んで、学習の場や活動など両者の要素を部分的に重ね合わせながら、一体となって子供たちの教育に取り組んでいこうという考え方であり、学社連携の最も進んだ形態と見ることもできる。このような学社融合の理念を実現するためには、例えば、学校が地域の青少年教育施設や図書館・博物館などの社会教育・文化・スポーツ施設を効果的に利用することができるよう、それぞれの施設が、
学校との連携・協力を図りつつ、学校教育の中で活用しやすいプログラムや教材を開発し、施設の特色を活かした事業を積極的に展開していくことが重要である。これによって、学校だけでは成し得なかった、より豊かな子供たちの教育が可能になるものと考えられる。今後、こうした学社融合の理念に立った活動を積極的に推進していくためには、国としても、必要な調査研究や先導的な事業に対する支援などを行うことが求められる。
また、学校と家庭・地域社会との適切な役割分担と連携を図りつつ学社融合を円滑に推進していくためには、その基盤を整備していくことが重要である。学校と施設間の人事交流の一層の促進や、学校教員が青少年教育施設等で体験的な研修を行うような機会を拡充することなども検討される必要がある。」
■青少年教育施設における学社融合のすすめ方
学社融合には3つのパターンがあったが、実際に学社融合をすすめるとなるとどのようなことが考えられるのだろうか。それについては、学校教育側にとってプラスになるところを探ることから始めなければならないであろう。
学校教育で学社融合が可能であったり、必要とされるところを教材の作成、教科による教育・学習、教科外の活動にわけることにしてみよう。青少年教育施設側についても、同様に施設で使ったり、外部へ提供したりする資料の作成、施設の提供する事業、施設利用者の自主的活動に対する援助にわけて、両者を組み合わせ、学社融合の3つのパターンの実現可能性を探ってみると、表1のようにあらわすことができる。
まず資料の作成と教材の作成のところの融合

 

 

 

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